税制改正意見書について_その3
前回に引き続き、税制改正意見書にどういったものが
記載されているかを紹介いたします。
今回は主に所得税に関する事項です。
医療費控除の簡素化
医療費控除は通常の医療費控除とセルフメディケーション税制の2軸となり
複雑な制度となっていること
それに加え、高齢者が申告する際にわかりやすい制度にした方がよいというものです。
個人的に思うのは医療費控除の明細の作成の簡素化だと思います。
マイナポータル等と連動すれば、簡単にできるかもしれませんが、
まだまだ浸透していないと思います。
不動産所得の損益通算の廃止
そもそも不動産所得の損益通算は地価が著しく高いときに設けられた規定であり、
現在の地価からするとそぐわないというものです。
現に負債の利子のうち、土地等にかかるものは損益通算できなくなっています(これも複雑で分かりづらい)
整合性を保つためには、損益通算制度自体を廃止すべきという意見になります。
純損失の繰越控除の延長
個人所得税の青色申告者の
純損失の繰越控除は3年です。
一方、法人は10年繰越すことができます。
また、事業を継続するにあたり、過去の損失は通算されるべきものであるという考えから、
本来は年度に制限を定めるべきでは無いという考えもあります。
したがって、帳簿保存期間が7年であることも踏まえ、個人でも最低7年は純損失を繰越すべき、
という意見となります。